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旧暦の秘密

2008年01月11日

 あけましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いいたします。

 ということで、また新しい年の扉が開かれた。カレンダーはすべて新しいものに変わったことであろう。現在使われているのが太陽暦(グレゴリウス暦)であることはよく知られているが、これが日本に導入されたのは1872年(明治5年)=編注:太陽暦の1873年1月1日から導入=で、ほんの135年ほど前のことでしかない。それ以前の1300年近くは中国4000年の歴史を持つ太陰太陽暦が使われていたのである。
 暦と季節にずれを感じることがあるのはこのためである。たとえば、俳人松尾芭蕉が『おくのほそ道』の旅に出発したのは旧暦1689年3月27日なのに、新緑のころという表現があり、これはどういうことなのだろうと戸惑うが、新暦に置き換えてみると5月16日なので納得できる。また、満月の明るさだったという元禄15年(1702年)12月14日の赤穂浪士の討ち入りも、新暦では1703年1月30日となる。
 一方、旧暦から新暦への移行のし方にもばらつきがあって、
   (1) 旧暦のまま毎年日程がずれるもの : 松山の椿まつりや中秋の名月
   (2) そのまま単純に1カ月ずらしたもの : 本来旧暦7月15日だったお盆
   (3) 変えずにそのまま残したもの : 七草、ひな祭り、七夕など
が挙げられるが、季節感に多くの不都合を生じたのは(3)であろう。1月7日の七草粥に使われる七草は現在ほとんどハウスものだし、桃の節句の3月3日に桃の花は咲いていない。梅雨のさなかの6月を水無月と呼ぶ不思議も、まだ梅雨の明けない7月7日の七夕が本来、初秋の行事であると知れば解明できるのである。
 まだまだお伝えしたい旧暦の仕組みはまたの機会に譲るが、実のところ、太陽と月のめぐりに従って仕事をするお百姓さんにとっては、同じ温帯で四季のある中国の農暦を基本にした旧暦こそが、本来の季節にぴったりのカレンダーなのである。
 なお、参考文献は、小林弦彦氏の『旧暦はくらしの羅針盤』なので、興味のある方はどうぞ。

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