さすが寒中、1月20日から21日にかけて降った雪は30センチ近く積もり、その後1週間以上わが家の周囲に残ったのであった。一度にこんなに降ったのは、たぶん結婚した翌年、1981年以来のこと。しかも、その後何日も天気が回復しなかった。このため、なかなか溶けない重い積雪はわが家の7つの手作り鶏舎のうち築15年の鶏舎には酷だったようで、全体が平行四辺形になるほど柱が傾き、天井は20センチ近く低くなってしまった。その隣りの、以前から「ピサの斜塔」とふざけて呼んでいた鶏舎に至ってはもう倒壊寸前で、戸が開かないほど傾き、たまたま車のバッテリー交換に来てくれた車屋さんに雪の中、チェーンで引っ張ってもらって多少ゆがみを戻し、つっかい棒をした。しかし、若鶏用にと年末新しく建てた鶏舎はさすがにびくともせず、ほっとした。
畑の方も、これまで暖冬を享受してすくすくと育っていたレタス、シュンギク、ミズナなどの葉菜類が雪の下でぺっちゃんこになり、数日はどこに何があるかも分からない状態となり、早めに顔を出したダイコン、ニンジン、ハクサイなどでなんとかセットを作って配送した。果樹園では、レモンの木がへし折れ、来年の着果が危ぶまれる。よそでも、アスパラやイチゴのハウスの倒壊、ガレージの屋根がつぶれて車が破損したなどの被害を聞いた。
こんなに寒くて雪も積もって、それでも地球温暖化? と思う人もいるかもしれないが、これはやはり世界的な傾向であるらしい。先日、夫婦で「アース」というBBC製作の映画を見た。ホッキョクグマ、ペンギン、ザトウクジラなど、温暖化により未来が危惧(きぐ)されている動物たちを中心にした記録映画である。氷が早く溶けすぎて足場を失い、泳ぎ続けるホッキョクグマの姿が印象的で、最後のナレーションでもBBCらしく人類への警鐘としてこの映画を作ったと語っていた。
確かに、この温暖化が人為的に促進されていることは間違いないだろう。しかし、地球の長い長い歴史の中では、これもほんのわずかな変動にすぎないのかもしれないと思ったりもする。生物全体を見れば、温暖化で絶滅する種もあれば、逆に栄える種もある。ただ、その中でやはり、ヒトは数え切れない生物のうちのほんの一種にすぎないことを知る謙虚さが求められているのだと思う。何よりも、ヒトが温暖化で絶滅する種の方に含まれていることは疑いないのだから。