皆さんはスーパーなどで買い物をするときに、有機JASマークを見たことがあるだろうか? そして、それを食品購入の選択肢として利用しているだろうか? YESと答える人は10%以下、と小生は推察するが、いかがだろうか?
いつも原稿を校正し、パソコンで送信してくれる妻(たびたび失敗してパニックになっている)が、有機JASのことをちゃんと知っている人は少ないと思うので分かりやすく書いてみて、と言うので、今回は有機JASについて少し詳しく説明してみよう。
2001年より、無農薬・無化学肥料で栽培された農産物は、登録認定機関の検査認定を受けた上で、有機JASマークを表示できるようになった。それによると、有機農産物とは、果物など多年生の作物なら最初の収穫まで3年以上、米や野菜などその他の作物なら播種(はしゅ)以前に2年以上、化学合成農薬や化学肥料を使用していない農地で、化学合成農薬や化学肥料を使用せずに栽培した農産物と定められている。
加工品の場合は、有機農産物でない原料の使用を5%以下と制限し、食品添加物も使用していないものとされる。畜産物については現在検討中なので、有機JASマークの付いたハムやソーセージはまだないはずである。
また、海外での有機認証が付いていても、有機JASの付いていない輸入食品は「有機」や「オーガニック」と表示できないことになっている……はずであるが、小生はそんな食品を見かけたことがあるし、タウン誌などのレストラン紹介でも気軽に有機野菜使用などと記されているのが現状である。
実のところ、長く有機農業を続けているちろりん農園は、この有機JAS認証を取得していない。同じ西条市に入植して有機農業で頑張っている「藤田家族」も、自然農法に情熱的に取り組んでいる「まんがら農園」も同様である。「なぜ? 取って、有機農産物と表示できる方がいいんじゃない?」と言われそうだが、取得しないのには理由がある。
愛媛県ではNPOが認定機関になっている(小生も認定の資格修了済み)ので、他府県に比べて取得費は安いようだが、野菜の品目ごと(ちろりん農園では50~60種)に栽培面積や収穫量などを細かく記した書類を作ることは不可能だし、一つ一つに費用がかかることを考えると、結局われわれのような多品目小規模有機農業を営む者にはメリットがないのだ。つまり、この制度を有効活用できるのは、単品目大規模農家だけなのである。
いずれにせよ、国内での有機JAS認証取得者はまだ少ないこともあり、消費者の意識にはあまり浸透していないように思えるが、一方でそれは、次々と「疑」や「偽」のまかり通るこの国自体が信用されていないことを示しているのではないだろうか。