ジャガイモ、ピーマン、トマト、ナスはすべてナス科の野菜で、大きさや色の違いこそあれ、花はそっくりである。しかし性質は皆違っていて、例えば水分を必要とする順番は、ナス、ジャガイモ、ピーマン、トマトである。生まれ故郷の気候による差であろう。そのためわが家では、水田転作で水の引ける所にナス、畑で時々水をやれる所にジャガイモとピーマン、乾いた所や水管理のできるハウスにトマトを作付けする。また、ナス、トマト、ジャガイモの害虫ニジュウヤホシテントウはピーマンやトウガラシにはつかないとか、秋ナスを取るためナスに施す剪定(せんてい)は同じ時期に育つピーマンやトマトにはあまり行わないといった違いもある。
今夏は雨不足でナスにはつらい気候だったが、わが家のナス畑には幸い水が引けたので豊作だった。さて暑さも盛りを過ぎるころ、茂った枝を剪定して全体の1/2から1/3くらいに切り詰めると、9月から10月にかけて再び柔らかくおいしいナスが収穫できる。これがいわゆる秋ナスである。「秋ナスは嫁に食わすな」ということわざには、あまりにも美味なので嫁にはやらんという意地悪型と、ナスには体の熱を取る作用があるので妊婦や冷え性の女性には毒であるという思いやり型の2通りの解釈があるが、どちらかというのではなくどちらもが真実なのかもしれない。
さて、ナス紺という言葉の通り、ナスの果皮は紫色が定番だが、最近では表皮が白い品種や緑色の品種、そしてイラン原産のカプリスという丸くて白地に赤紫の縞模様(しまもよう)の珍種もある。緑ナスは劣化が早いのが欠点だが、取りたての油炒めは最高! またカプリスは厚切りにして天ぷらにすると「魚ですか?」と問うた人がいるほど美味。この2品種は来年も作付ける予定である。