5月5日の立夏が過ぎ、いつの間にか野山の景色も春を通り越して緑が日増しに濃くなり、夏へと向かって一直線です。
今日、わが家の家庭菜園でジャガイモの花を見つけました。昨年、このことをブログに書いたのですが、ある若い人から「えっ、ジャガイモに花が咲くの?」とメールが届き、一瞬驚いたものです。「そうです。大根もキュウリも、トマトだって花が咲かないと実がならないのです」と返信メールを送ったら、今度は「トマトやキュウリなら分かるけど、ジャガイモはどの部分に花が咲くのですか?」です。まるで3歳くらいの坊やが「なぜ?」「どうして?」と尋ねるのと一緒で、最後はうるさくなって「どうしても」と、答えようのない答えをかんしゃくを起こしながら答えました。

【写真】男爵ジャガイモの花
これはごく普通の人なので当然な疑問ですが、それが専門家の話になると、あきれて口がふさがらないのです。ある農林水産省の若手官僚が、ある村へ視察に来ました。県庁のお役人は長靴、軍手、作業着を用意して背広を着替えさせ、ある村の蕎麦(そば)の花畑を見せに行きました。晩夏から初秋にかけて咲く蕎麦の花は淡いピンクの花をつけ、それは見事で、花はまるでじゅうたんのようでした。県から説明依頼を受けた市町村産業課の担当者は「これは減反奨励作物で、間もなく収穫を迎える蕎麦の花です」と言い、「農林水産省の水田再編対策事業、つまり減反施策に沿って作付けしました」と付け加え、胸を張って説明したそうです。
キャリアの若手官僚は、初めて見る蕎麦の花に感激しきりでしたが、その次の言葉は「今度はうどんの花を見てみたい」と、思わず漏らしたそうです。蕎麦に蕎麦の花が咲くのなら、うどんにだって花は咲くと思うのは当然かも知れません。しかし、少なくとも日本の食を誘導する農林水産省の官僚が、うどんは小麦から作るということすら知らないのです。
正確にはうどんの材料は小麦ですから、花が咲かないはずはないのですが、それにしても、まるで漫才のようなやり取りです。これでは、日本の食糧自給率や地産地消なんていったって言葉が通じるはずがありません。
今日の夕方、山沿いにあるわが家の道端で、草に埋もれてややもすると見えにくい草花にカメラでアタックしてみました。まさに踏みつけられそうな野の花ですが、今を盛りと小さい花なりの主張をしながらけなげに咲いています。まさにスマップの「世界に一つだけの花」であり、オンリーワンの花なのです。ツツジやアジサイなどの花の話題もいいけれど、人知れず咲く花も美しいと、夕暮れ時、一人花見を楽しみました。

【写真】名も無きに等しい野の花