先日うだるような暑さの中、ふたみシーサイド公園の恋人岬周辺でエイズ・キャンペーンの小さなイベントがありました。このイベントを仕掛けたのは、お笑い芸人で有名な友近さんのお母さんと、ラジオのパーソナリティーとして活躍しているララナカヤさんです。
最初この企画が持ち込まれた時は、正直言ってやめた方がいいとお話しました。というのも、真夏のシーサイド公園は確かに若い人がたくさん集まりますが、その人たちの主な目的は“安・近・短”を地で行くような海水浴を目的にした人たちばかりで、第一、午後1時から3時までの暑い時間に人など集まらないことを、私が一番よく知っているからです。
それでも2人のどうしてもやりたいという熱意にほだされ、私は会場の借り上げなどを担当する実行委員にならされてしまいました。出演メンバーは私が知らないだけでかなりのレベルの人らしく、彼らも2人の熱意でわざわざ遠方から駆け付けるということでした。ララナカヤさんを中心にしてスポンサー集めやチラシ・ポスター製作へと順調に進みましたが、出演者の一人として、私に“落伍”をやってほしいというのです。何が何でもそれだけは、とお断りをしましたが、最後は「若松さん、楽しみましょうよ」の一言で押し切られ、なんと私は“野外落伍”をやることになったのです。

【写真】エイズ・キャンペーンのためにみんなの力で完成させた1枚の絵
当日はフラフープの健康体操、お医者さんのエイズの話、小春さんの千春物まね、津軽三味線などが順番に披露されました。
私はあまり準備をしない、それでいてアドリブで話をするタイプですが、捲(めく)りや出囃子(でばやし)、それに小道具を、その日の朝、人間牧場まで取りに行き、旧三崎町(西宇和郡伊方町)の友人からもらった裂き織りのはんてん姿で出演することにしたのです。ちょうど友人の松本さんが会場に来ていて、拍子木と捲りで私の紹介をしてほしいと直前になって頼んだのです。
やがて午後1時10分、私の出番となりました。すべて順調でしたが、暑いのなんの、汗がまるで温泉のように噴き出しました。この日の演目は「ハーモニカが吹けた」に多少脚色したまちづくり小話でしたが、普通、落伍は自分の前に観客がいるものですが、この時ばかりは観客は約50メートル向こうのテントの中なのです。演じる私がオーバーヒートし、聞く方は涼しげな木陰とは、なんともおかしなシチュエーションです。

【写真】恋人岬の突端で座布団を敷いて落伍を熱演する夕日亭大根心こと私
入りから出まで約20分間、私はものの見事に(笑い)演じきりました。おかげで色白の私(笑い)は顔も腕も真っ赤に日焼けし、翌日は朝からヒリヒリしていました。
「ハーモニカの代わりに、今の子どもはリコーダー(縦笛)を吹いています。ばかな子が吹いても“利口だー”」(笑い)とか、「はーい、ハーモニカを吹いた経験のある方、手を挙げてください。はい、手を挙げた方はもう賞味期限の切れた方です」(笑い)。私は将来、音楽家、芸術家のように“ハーモニ家”になろうと思います」(笑い)などなど、爆笑ものでした。

【写真】角笛を吹き、ホラを吹いたと掛け合わせました

【写真】観客に竹とんぼの実演をしてもらいました
うれしいことに、炎天下ながら女性2人が前に座ってしっかりと最後まで聞いてくれ、わざわざ私の落伍を聞きに松山市雄郡公民館の館長さんが差し入れのお酒を1本持ってはせ参じていただきました。冷や汗ならぬ、熱中症寸前の大汗をかきました。