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トマトとトンボ

2008年08月22日

 今年の夏は梅雨が10日以上も早く明けたため、夏がひときわ長く感じられます。ましてや愛媛では真夏日や猛暑日が続き、各地の温度も全国1位や2位などとありがたくない記録に少々バテ気味です。バテるのは何も人間さまだけではなく、近所の犬や猫も口を大きく開けて木陰でぐったりして横になり、ほえたり鳴いたりする元気もないようです。
 そして一番バテているのは、遮る当てもない強烈な直射日光と水不足が災いしている菜園の野菜を含む植物のようなのです。トウモロコシは早々と音を上げ、青シソやトウロク豆も枯れてしまいました。ピーマンやシシトウは朝晩の水やりでかろうじて生きていますが、日照りに強いはずのナスやサツマイモさえもぐったりして、今後降雨がなければ収穫が危ぶまれるのです。植物は不思議なもので、水をやらずに育てたものは意外としゃんとしているのに、夕方日の暮れるころにたっぷり水をやって育てたものは1日水をやらないだけで枯れてしまうのです。
 そんな中で近年になく大豊作なのはミニトマトです。雨の降る年は裂果や腐敗で“はねもの”が多いのですが、今年は上天気のため、樹上完熟するまで置いていても大丈夫です。2日おきに収穫するミニトマトは編みかごいっぱいもあって、2人では食べきれず、近所や親類におすそ分けをしているのです。

2日に1回、これだけの量を収穫するミニトマト
【写真】2日に1回、これだけの量を収穫するミニトマト

 昨年好成績を挙げたまるでドングリに似た細長いミニトマトは果肉が厚く、完熟したものは甘くておいしいのです。もしもトマトが体にいいのなら、私たち夫婦はトマトにお礼を言わなければならないのです。最近は妻の料理も、生食で食べる以外に、ジュースにしたり冷麺やスパゲティに使ったりと、バリエーションも広がっていい雰囲気です。 ミニトマトはこれからが本番で、2日に1回の朝は、また収穫が楽しみです。

たくさん実をつけたドングリ型の完熟ミニトマト
【写真】たくさん実をつけたドングリ型の完熟ミニトマト

 先日、書斎の窓を開けていると、突然大きなトンボが部屋の中に入ってきました。見ると、子どものころ追っかけ回し、捕まえるのに夢中になったオニヤンマです。すぐに網戸を閉めて、しばらくの間、部屋の中で飛ぶ姿をいすにもたれて眺めていたら、なんと私が差し出した右手の小指に止まったのです。興奮した私は、すぐになれない左手で机の上のデジカメを取り出し、利き手でない左手で操作して写真に収めました。

右手に止まったオニヤンマ
【写真】右手に止まったオニヤンマ

 せっかくだからいい写真を撮ろうと左手を出すと、私の願いが通じたのかオニヤンマはすぐさま左手に止まり直してくれました。その間2分くらいでしたが、まるでトンボを自由に意の向くまま操っているように思いました。撮影に成功したので逃がしてやろうと尾っぽをつかむと、嫌がって指先を鋭い歯でかみ、部屋の中を再び飛び始めたので、網戸を開け外へ逃がしてやりました。

左手に止まり直してくれたオニヤンマ
【写真】左手に止まり直してくれたオニヤンマ

 私の町は田舎です。でも喧騒(けんそう)な都会にない自然や静けさがあります。消毒もしない安全なトマトが腹いっぱい食べられ、収穫する楽しみもあります。また、トンボが手に止まるなんて、まるで時間が止まったような信じられない出来事も起こるのです。何気なく過ぎてしまえば何のことはない日々の暮らしに一喜一憂しながら、泣いたり笑ったり、時には感動できる田舎暮らしは最高です。

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