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青い三角定規(1)

2008年04月21日

 “青い三角定規 35年ぶりに再始動”――そんなニュースが駆け巡ったのが今年に入ってすぐの1月24日。ひと月後の2月25日には東京・原宿のライブハウス「クロコダイル」で、再結成後初のライブを成功させた。
 青春ドラマの主題歌でもあった「太陽がくれた季節」をミリオンセラーの大ヒットに導いた西口久美子、岩久茂、高田真理の3人による青い三角定規が本格的な再結成に向けて動きだしたのは、実は2年前の夏。ところがその直後にメンバーの事故と自殺が相次いだため、再結成話は白紙に戻っていた。
 しかし周囲の関係者と多くのファンの熱意によって再度の結成話が持ち上がった。その時、2人の胸に去来した思いとは……? そして今後のビジョンは……?

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――まずは2月の再始動ライブを終えた手応えを聞かせてください。

西口久美子 「なにしろ35年ぶりですから、自分たちがどんな心境になるのか、実際にどういう人たちが見に来てくれるのか、それ以前に本当に客席は埋まるのかが全然分からなかったこともあって、何とも表現し難い緊張感がありましたね。だけど、ふたを開けてみたら入りきれないほどのお客さんに集まってもらったことや『太陽がくれた季節』を1曲目に演奏したことから、一気にステージと客席との距離が縮まってとってもいい雰囲気の中でパフォーマンスできたので、すごい充実感と安心感がありましたね」

岩久茂 「僕の場合、サラリーマン生活を続けてきていたこともあって実質15~20年くらい音楽から遠ざかっていたので、生まれて初めてライブをするのに近い極度の緊張に襲われていたんですよ。ところがステージに立って客席を見わたしたらみんな笑み満面、温かい視線でサポートしてくれましたから、すぐにリラックスできたし、楽しみながら歌えた。あの場所に居合わせたすべての人たちに感謝感謝、ですね」

――あらためてうかがいます。35年ぶりに“青い三角定規”を再始動させるに至るきっかけ、経緯、決め手……は何でした?

西口 「発端は、私のデビュー30周年記念のディナーショーの企画の一つとして、“青い三角定規”を一夜限りで再結成させたことにあるんです。それまでも何度か、「日本の名曲~」「懐かしの名曲~」といった類いのいろんな番組から、3人での出演を打診されたことはあったんですけど、私以外はエンターテインメントの世界から遠ざかっていましたし、2人には2人の生活があってそれを乱したくないという思いから、大抵は私1人で対応してきたんです。でも、30周年の時はなぜかいい返事がもらえた」

岩久 「なぜか“いいよ”って返事をしちゃった(笑)。僕は息子と2人暮らしで、家に楽器も機材も一切置かない、音楽とは距離を置いた生活だったんですが、今思えば、そういう生活にちょっとした変化や刺激が欲しかったのかもしれないですね。それで当日、僕がかつて歌っていたことをまったく知らない息子も会場に呼んで、僕らが歌っている姿を見せたんです」

西口 「そうしたら、お客さんはもちろんですけど、息子さんがとってもいい笑顔をしてた」

岩久 「普段見せたこともないような笑顔を、ね。自分たちが歌うことで、ファンの人たちにも家族にもこんなにいい笑顔になってもらえるんだったら歌う意味があるなって、その時思ったんですよ」

――でも、そこから正式に始動を決意するまで、それなりの時間が経過しています。

岩久 「本当に始動させるなら、強い気持ちと精神的な余裕、そしてそれなりの準備期間が必要だということです。僕なんかギターも弾けなくなっていましたからね、指が痛くて(笑)。かつては寝る暇がないくらいのハードスケジュールの中で、肉体的にも精神的にも疲れ果てて解散に至ったような印象がありましたから、やっぱり慎重になってしまいますよ」

西口 「それで、2006年の夏にいくつかの特番に3人で出演して、暮れの私の35周年ディナーショーでの再始動に向けて心と体を慣らしていっていた矢先に、高田の事故と自殺が続いて……」

岩久 「ああ、これで再結成はなくなったなって思いましたね。なにせ、三角のうちの一角がなくなったわけですから。僕は僕で気持ちを整理できずにいたし、クーコ(西口)なんかかなり憔悴(しょうすい)しきっていましたから」

西口 「そこに本来いるべき人がいなくなったことへの虚無感、なのかな」


青い三角定規(1)
青い三角定規(2)
青い三角定規(3)

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