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トワ・エ・モワ(1)

2009年02月06日

 ここ数年、フォーク系音楽イベントの開催頻度の高さ、あるいは中高年世代の音楽(特にライブ)への関心の高まりとともに、その活動に拍車がかかるトワ・エ・モワ。昨夏は千葉県を中心に、そして年末には四国をコンサートしてまわった2人は今、2月8日からスタートするコンサート・ツアー~明日への扉~の準備に余念がない。そんな彼らに、現在の活動を支えるモチベーションや今後のビジョンを聞いた。

トワ・エ・モワ

――このところ、ステージに立つ機会がかなり増えてきているようですが…。

白鳥英美子「ありがたいことに、私たちの歌を生で聴きたいと思ってくださっている方々が、想像以上にたくさんいらっしゃるようで、そういう人たちに背中を押されている部分はかなりありますね」
芥川澄夫「中高年の音楽ファンは熱いんですよ」
白鳥「お客さんの層は、団塊の世代から下の、私たちと同世代の方たちが中心なんですけど、若者が集まってくれたのかと錯覚するくらい熱いんですよ(笑)」

――ファンの方々に背中を押されている、とのことですが、お二人の意欲としてはいかがですか?

芥川「意欲も強くなっていますね。僕はしばらく制作者側にまわって、いろんなアーティストをプロデュースしてきましたが、ここ数年は日本のスタンダードソングを伝承していきたいという思いが大きくなってきていることもあって、求められればどこへでも出かけていって歌いたいという気分なんですよ。ただ、いくら僕が“歌いたい”と思っても、聴いてくださる人がいないとステージにも立てませんから、各地に聴きたがってくれている人がいるという昨今の状況はすごくありがたく、うれしいですね」
白鳥「私はソロでもライブをコンスタントに続けてきていて、トワ・エ・モワとしてのステージ活動はソロとは別物としてやってきていたんですけど、白鳥とトワ・エ・モワの両方を聴いてみたいというお客さんの要望に応える形で“白鳥英美子withトワ・エ・モワ”というスタイルでやってみたら思いのほか評判がよく(笑)、今に至っているような状況です」
芥川「おそらく年代的に仕事も子育ても一段落して、好きなことに没頭できる時間ができたときに、自分の青春時代をなぞってみたくなる人が多いんじゃないかと思うんですよ」
白鳥「そうね。当初はライブの中で、懐かしのフォークソングを1曲、リクエストにお応えするかたちで歌っていたんですが、そのコーナーの人気が高く、徐々に曲数が増えていって、それならCDも作ってみないかという話になり、出来上がったのが昨年6月にリリースした『FOLK SONGS』なんです」
芥川「だから、時代の流れや、僕らへの期待感、そして僕たち二人の想(おも)いや意欲がうまい具合につながって今があるという印象が強いんです」

――お客さんの中には、若いころアコースティック・ギターをつまびいていたという人も少なくないでしょうからね。

白鳥「定年後に再びギターを持ち出してきて、あらためて習ってみたり、音楽サークルを作ったりする人も多いと聞きますしね。われわれはわれわれで、かつての名曲を今の年齢で歌ったときにどういう伝わり方をするんだろう? 歌ってみたときにどんな気分になるんだろう? という好奇心もあったりするので……。だから芥川さんがアルバムで(吉田)拓郎さんの作品(「今日までそして明日から」)をピックアップした際も、今なら歌ってみたいという言い方をしていたんですよ。昔はなんとも思わなかったらしいんですが(笑)、今沁(し)みるよなって言っていましたからね」
芥川「そうそう。かつては全然響いてこなかったのに、ちょっと前にラジオ番組をやっているときに流してみたら、その時の自分の心境をズバリ表現している作品に思えたんですよ」
白鳥「だから歌って不思議ですよね。出来て何十年も経ってから人の心を動かしたりするわけですからね」
芥川「まあ当時は、目の前の作業に追われるあまり、人の曲を噛(か)みしめている余裕まではなかったんですよ、正直に言えば。あと、楽屋で一緒になってもどこかライバル視して、相手の音楽の世界には踏み込まないようにしていましたし。でも、今あらためて当時の名曲、ヒット曲に腰を据えて対峙(たいじ)してみると、まあ素晴らしい作品が多いこと多いこと。よくも若い身空でこんな曲が書けたなと感心するくらい(笑)」

――聴き流せる曲は少なかったですからね。聴き流そうと思っても、ついつい聴き込んでしまうような作品が多かった。

白鳥「たいして聴いた覚えはなくても、メロディーは沁み込んできていますもんね。最後まで歌えてしまうくらい」
芥川「逆に今は、いくらメディアがヒット曲として紹介しても、タイトルと作品が結びつかなかったり、聴いたこともないような曲が多いでしょ?」

――そうですね。それは僕らが年取って流行りの音楽に関心がなくなったというのじゃなく、曲や作品自体にパワーがなくなってきているんだと思うんです。

芥川「だから、今の若者が年取ったときは、寂しい思いをするんじゃないの? 一緒に歌える曲がないんだもん」
白鳥「自然に耳に入ってきて、気がついたら覚えてしまっていた、なんてことはなくなってしまいましたからね」
芥川「そういえば、阿久悠さんが“街角から歌が消えてしまった”という表現をしていましたが」


トワ・エ・モワ(2)

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