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認知症 その1 初期症状

2007年10月19日

 団塊の世代の皆さんが、80歳に達するまでに、あと20年以上かかりますが、高血圧や高脂血症、糖尿病などの動脈硬化に関連する病気にかかっておられる方は、運動療法や食事療法を行い、効果がない場合は、早めに薬を服用されることをお勧めします。理由は、最近の降圧剤や抗コレステロール薬は、本来の薬の作用以外に、動脈が硬く細くなっているのを元の状態に戻したり、アルツハイマー病の発症を抑えるなどの多面的な作用があることが明らかになってきたためです。
 高齢者社会になって認知症患者さんの数は増え続けています。現在、全国で200万人の認知症患者さんがいると推定されています。80歳以上の女性の4~5人に1人は認知症です。
 初発の症状が出てから医療医機関を受診するまでに平均2年かかるという調査があります。医師の診察を受けるまでは、病気なのか年のせいのか分からない、境界領域の状態が存在します。認知症という病気の状態になると、「笑い話で済まされないことが何回も発生する」「社会生活や家庭生活の中で適応できなくなる」という症状が出現します。初期症状は、物忘れ(さっきの出来事、言ったことを忘れる、何度も同じことを尋ねる、置き場所を忘れる)と、実行機能障害(買い物や料理の段取りが分からなくなる、風呂の操作が分からなくなる)、判断力の低下(車の運転で道を間違える)などがあります。
 女性は、料理という複雑な作業を行いますので、初期の異常が家族によって察知されやすく、認知症が早めに発見されやすい傾向があります。一方、男性は、75歳以上の後期高齢者になると家事の分担もなく何もしなくなるので、発見が遅くなる傾向があります。男性の初期症状は、約束事を忘れる、意欲が低下するなどの症状が目立ちます。
 家族の方が「おかしい、どうも変だ」と思ったらすぐに、医療機関を受診されることをお勧めします。早めの確定診断と治療や介護(薬物治療、介護保険でデイサービスの利用、家族の支え)は、認知症の進行を遅くします。また、確定診断が必要なのは、認知症の中に、治療可能な認知症(正常圧水頭症、慢性硬膜下血腫、甲状腺機能低下症など)があるためです。
 認知症には、中心症状の記銘力障害と、周辺症状があります。周辺症状である妄想や暴言・暴行などの出現を抑えるには、患者さんへの対応方法を工夫する、介護の方法を変える、さらに薬物療法があります。これについては次回、ご説明いたします。

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