■ 徳島…発心の道場 阿波の札所
《第10番 切幡寺》
- 【所在地】
- 徳島県阿波市市場町切幡字観音129
- 【連絡先】
- TEL:0883-36-3010
- 【近隣の地図】
- 地図
【略縁起】
境内は切幡山の中腹、標高約155メートルにある。国の重要文化財の大塔からの眺めは素晴らしく、眼下に吉野川が流れ、前方には四国山地の山々が連なる。
昔、この山麓に機を織る乙女がいたという。この地で修法していた弘法大師が結願の日、僧衣を繕うため布切れを乙女に所望すると、織りかけていた布を惜しげもなく切って差し出した。感動した大師が乙女の望みを聞くと、「父は都で薬子の変に関係して島流しになりました。母は身ごもっていましたが、男が生まれれば、とがを受けます。清水の観音様にどうか女が生まれるようにと祈願し、この地に来て生まれたのが私です」と語った。そして「観音様をつくっておまつりし、私も仏門に入って精進したい」と告白した。大師は千手観音像を彫造し、乙女を得度(仏門に入ること)させて灌頂を授けた。乙女はたちまち即身成仏し、千手観音菩薩に変身した。大師は嵯峨天皇(在位809~23)にこのことを伝え、勅願で堂宇を建立。自ら彫った千手観音像を南向きに、即身成仏した千手観音像を北向きに安置して本尊にしたという。「得度山灌頂院切幡寺(とくどざんかんじょういんきりはたじ)」という名称はこの由縁による。
写真は『遍路の風景 空海のみち』村上護著、吉岡功治撮影(愛媛新聞社)から
参考文献『先達経典』(四国八十八ヶ所霊場会)