(2009年01月29日)
(2008年10月17日)
(2008年10月10日)
(2008年08月05日)

UMCK-1259
発売中
相変わらずカバーブームである。そして、さだの新作もまたカバー。しかも美空ひばりの……。とはいえ、巷間にあふれるカバー作品とは趣を異にする。
もともとは美空の生誕70周年(2007年)に合わせて5年ほど前から打診されていた企画だった。彼女の存在の大きさの前にいったんは固辞するも、説得を続けるレコード会社スタッフの情熱に押される形で、自身のデビュー35周年となる昨年春に快諾し制作がスタートした。単に偉大な作品をなぞるのではなく、既に日本のスタンダードと化した美空作品と彼女が歌に託したスピリッツを後世に伝承していくという使命を自らに課して臨んだという点において重みが違う。
服部隆之を擁したアレンジは、ジャズをベースに時折タンゴやレゲエの要素が顔をのぞかせるなど、原曲とはまったく異なる世界観を構築しているため、オリジナルをよく知る人にはいささか抵抗があるかもしれない。美空のシャープな歌声に対する、ソフトなさだのボーカルもまた同様。ただ、“昭和”の心とムードをしっかり封じ込めている点は、さすが35年のキャリアのなせるわざである。
ヒット作、名作、代表作を網羅した作品群と、ここかしこで感じられる異国情緒と併せ、せわしい日常から離れて日がなのんびりと、そしてしみじみと聴いてみたい作品に仕上がっている。肩書にとらわれず、リラックスしてつき合ってみいていただきたい。