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『弾き語りパッション』 井上陽水

2008年08月05日

弾き語りパッション

FLCF-4240
発売中

 「今日は少し懐かしい歌を中心に……、ずっと懐かしい歌かもしれないですけど(笑)、最後まで楽しんでいっていただきたいと思います」。コンサート・ホール内特有の緊張感をほぐして一気にリラックスさせてくれるトークからスタートする本作は、昨年の全国ツアーでのベスト・トラックをチョイスした弾き語りライブ盤。
 ほぼアコースティック・ギターと彼の歌だけのシンプルな構成のせいで、息遣いからギターの弦が弾かれた余韻まで、リアルな臨場感が伝わってくる。年を経るごとに艶(つや)を増すボーカルと、年月を経てもまったく色褪(いろあ)せないレパートリーの数々に、彼と彼が生み出してきた作品の存在感の大きさをあらためて実感。贅沢(ぜいたく)に厚みのあるサウンド・デザインを施した歌よりも、ここでのギター1本に近いアレンジに高揚とノスタルジーを覚えるのは、“フォーク”とともに青春期を過ごした者の特質か。
 「東へ西へ」「心もよう」「傘がない」といった大ヒット曲のほか、「闇夜の国から」「断絶」「いつのまにか少女は」などの代表曲も含め、収録曲は初期の作品がメーンである点も、フォーク・ファンにはうれしい要素ではないか。歌の途中でいったんパフォーマンスを中断して自画自賛のトークを始める「カンドレ・マンドレ」(ボーナス・トラック)は、思わずニヤリとしてしまう演出? 個人的には、季節柄、「少年時代」も聴いてみたかったが。

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