NHK記者らによるインサイダー取引事件があった。情報用端末の記事情報を使って株の売買をしていたようだ。調査を始めた第三者委員会によると、過去3年間でNHK職員の少なくとも81人が休憩を含む勤務時間中に株取引をしていた。
報道用端末、つまり報道情報システムにアクセスできる権限のある人間たち、その一部が、その特権を利用して、最新の情報をもとに、仕事と平行して、いや仕事そっちのけ(と言われてもおかしくないほどの取引回数)で株売買をしていたのだ。しかもまだ1000人近くが「プライバシーの侵害だ」などとして取引履歴の照会への協力を拒否しているということだ。
NHKとは「日本放送協会」、その職員がこんな意識でいて、いいのか。
そして社会保険庁。これは犯罪ではないのだが、どうもボタンのかけ方が違うのではと思うのは、以前、データのデジタル化移行の際に、職員によるコンピューター入力の量を労働組合が制限させたこと。個人の能力を無視して一律にそう決めてしまってよかったのだろうか。国民から預かった保険料のデータ化を急がなければいけなかった時期に、一般企業ではチョット考えられない甘えがあったのではなかったか。
そして、その後発覚した多数の入力ミス。その間にも起きていた職員による保険料の横領。
さらに、道路の建設管理などに使われるべき財源を、健康器具やら飲み会やら社員旅行の費用に転用……。
これらは皆、大人数でやっていることが問題だ。歯止めが効くことがなかった。ごく一部の人がしていることだと言えなくもない。マジメに職務を全うしている人から見れば迷惑な話だ。しかし、それだけでは済まされないような気がする。警察関係の人が犯罪にかかわった、あるいは裁判官が犯罪に走ったなど、これはごく一部のことだろうし、すぐに治まることだろう(しかし、こういった事件も増えてきて気になることではあるのだが)。
「自分一人だけのことだ、誰にも気付かれないんだからいいじゃないか」「他のみんなもやっていることだ、赤信号みんなで渡れば怖くない」などの声が聞こえてきそうな気がする。
確かに人間だから生きていく中で多少のブレはあるだろう。社会生活を営む以上、仲間とうまくやっていくために悪いと知りつつも道をそれることだってあり得るが、「程度」の問題だ。もうかるから、あるいは自分だけが損をしないように、とかいった安易な価値基準からではなく、最低持つべき道徳観を持って、多少よれても「全うに生きる」という自我意識を強く持ちたいものだ。
公務員の中には、いわゆるエリートとして国公立大卒業の人も多いだろう。国民の税金で勉強させてもらった、という意識はあるのだろうか。そして公務員は、国民の税金を管理しそれで生活させてもらっているという、公僕としての意識があるのだろうか。
さまざまな場面で疑問を持たされることが多い。