先日、長野県松本市に行ってきました。信州そばの本場です。名古屋から中央本線で向かいましたが、電車の車窓からアルプスを眺めながらのいい旅でした。そばの産地・安曇野、北アルプスから流れてくる水。そばづくりに適した地で、全国に名が通っているだけあります。街の至る所にそば屋さんがあり、地元の人たちも日常的に食べています。
友人の勧めで「女鳥羽そば」(めとばそば、松本市中央3―4―8)という店に行きました。
名物の「三重(みかさね)そば」と「そばうす焼き」という、そばがきを薄くのばして味噌を塗って焼いたものをいただきました。信州産の玄そばを石臼で挽(ひ)き、打ってるだけあり、香り高いうまいそばでした。そばがきのみそ焼きが、香ばしい風味と、そばがき独特のくにゅっとした食感でうまかったです。
これぞ、地産地消の郷土食の名品です。
食べながらふと思ったのですが、わが愛媛には、このような郷土食はないことに気付きました。香川なら“うどん”、高知は“かつおのたたき”、徳島は鳴門わかめの“たらいうどん”などがありますが、愛媛はというと……お菓子のタルト、柑橘(かんきつ)類……は思い浮かびますが……日常食で食べられていて、しかも地産地消でと考えると、私には思いつきません。
南予でいえば、宇和海の日振島が発祥の生卵にだしを混ぜたものに鯛(たい)のお刺し身をつけてご飯にかけていただく“ひゅうが飯”や、 魚を焼いたものをすりつぶして味噌とだしを混ぜて冷やしたものをご飯にかけていただく“さつま飯”、ほか南予には“じゃこ天”があります。
どれもおいしいですが、東予出身の私にとっては子供時代から考えるとあまりなじみのない食です。
東予にも、北条鹿島が発祥といわれる“鯛めし”がありますが、日常的に食べられてはいません。
私のお店はイタリアンですが、最近、地産地消をしているということで、マスコミに取り上げられたりJAさんから 講演を依頼されたりするのも、もともと愛媛には地産地消の郷土食がないからではないかと思ったりしました。
松本でそばを食べながら、そうした現状を抱えるわが愛媛に思いを寄せました。
世界的に食糧が高騰してきています。今後、地産地消でないと食べられない時代が来るんじゃないかと不安もあります。私たち地元外食企業が頑張らないといけないですね。