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名古屋で愛媛をいただいた

2007年09月26日

 皆さん、こんにちは。旬の食材コーナーを担当させていただきます、真鍋明といいます。 今回、縁あって人生で初めて原稿を書かせていただくことになりました。
 私は旧周桑郡小松町の駅前食堂出身の4代目です。今は旧小松町で洋食店と、松山市でナポリピッツアとパスタのお店をしています。よろしくお願いします。
 私は仕事柄、年間100日近く出張をします。仕事柄? と疑問を抱いた方もいるかもしれませんが、全国の繁盛店やおいしい料理を学ぶために旅するのです。

 今月は名古屋に行きました。お店の名前は「空」といい、名古屋駅の近くの普通のマンションの一室で14年も営業しているお店でした。店の外には看板も何もありません。 郵便受けにも店名は書かれていない、まるで秘密基地のようなお店でした。
 料理は和食と創作洋食を合わせたものでしたが、ここで食べた前菜の栗がおいしかったんです。「どこの栗ですか?」と聞くと、「愛媛の中山町産です」との答え。多分そうだろうなと内心思っていたのですが、当たりでした。
 調理法がまたびっくりでした。ゆでて硬い表皮だけをむき、渋皮がついたまま油でからりと揚げて、山塩を振っていました。食感は渋皮がカリッとして香ばしく、そのあとに栗の甘味がジュワーと口の中いっぱいに広がります。うまかったですよ。誰でもできて簡単な料理ですが、初めての食べ方に感動しました。愛媛の食材は、「食材」ではなく“食財”であるなと改めて思いました。

】「空」の前菜盛り合わせ
【写真】「空」の前菜盛り合わせ
渋皮付きで揚げた中山栗は手前の黒豆枝豆の陰に隠れて見えません(残念!)

 私のレストランでは3年前から「私たちはできるだけ地産地消につとめ愛媛のレストランを目指します」
という方針を掲げ、農家の方との直接取引をしています。そのきっかけとなったのは東京でした。
 東京にある、ある有名なフランス人シェフのお店に行った時のこと。私はいろいろな野菜を使った前菜の盛り合わせとお魚料理を注文しました。これが野菜か! これが魚か! と思うほど、味の強さ、うまみの深さに感激しました。シェフが出てきたので呼び止めて「野菜、おいしいですね。どこの野菜ですか?」と質問したら、なんとまあ! びっくり! 「愛媛産です」との答え。「トマトは久万高原町産、○○は内子町産、○○は周桑産……」 恐る恐る「お魚は?」と聞いたら、「八幡浜港からの直送です」……あ然!!
 ワインもいただいて、ン!万円するお料理でしたが、私は愛媛からわざわざ東京にまで行って、愛媛産を食べていたのでした。頭をハンマーで殴られたような衝撃でした。私を含めて最近の料理人は、旬を知らない人が多いですし、地元食材に目を向けている人は少なかったです。今では安全安心が叫ばれ、作り手が見えるという安心から愛媛産の“食財”を使う店が松山でも増えてきました。いいことですよね。

 マクロビオテックという食養生をアメリカで広めた久司道夫先生も、野菜類はできるだけ近くでとれたものをいただくほうが体には良いと著書で書かれています。 
 3年前の東京に続いて今回は名古屋での「愛媛産」との出会い。愛媛は“食財”の宝庫だなぁ~を3年前の東京に続いて実感した旅になりました。「愛媛産は県外だけで光る」では悲しいじゃないですか。県のキャッチフレーズ通り「愛媛産には、愛がある」を、愛媛の人(消費者や料理人)が価値として理解して県内で光らせ、愛媛で生まれた子供たちに誇りとして伝え続けられる、そんな未来をイメージしながら、これからも愛媛の農家巡りを続けたいと思います。

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