わが“あらし山山荘”は柿の木に囲まれている。小さい時から変わらぬ姿で、家の周りに植わっている。品種は甘柿の代表格、王様と呼ばれる「富有(ふゆう)」が中心で、硬めの「次郎」や「西村早生(にしむらわせ)」などが混ざっている。最近では話題の品種「太秋(たいしゅう)」が加わっているが、この家の周りの柿だけが、何もしていないのになぜか特別においしいのである。
柿はなんといってもビタミンCが特に多い! 酸っぱいイメージがあるビタミンCとは意外かもしれないが、柿に含まれているビタミンCは、レモンなどよりはるかに多く含まれている。ほかにもビタミンK、B1、B2、カロチン、タンニン(渋味)、ミネラルなどを多く含んでいるため、「柿が赤くなれば、医者が
青くなる」という言葉があるほど柿の栄養価は高い。もちろん“フルータリアン(果物主義)”である私の栄養源はこの柿であり、家を守り私の健康を守ってくれているので、「あらし山の守り柿」と呼んでいる。
この柿に異変が起きた。柿の実がいつもの年より早く赤くなり、ボタボタと落ち始め、柿の木にはついていない。あっという間に食べる柿の実が無くなってしまった。原因は、カメムシの大発生。病害虫に強い柿の実だが、カメムシに吸汁されると赤く熟したように色が変わって自然に落果してしまう。ミカンでは、果皮が薄く熟れが進んだ果実から吸汁するため、汁を吸われた果実はスカスカになる部分が出て食味が悪くなり、ひどい場合には果実が変色して落下するなどの被害が出る。

【写真】カメムシに吸われ、赤く変色した柿の実

【写真】変色し、腐敗した柿の実
カメムシはにおいを発する虫で、各地でいろいろな呼び名があり、愛媛ではジャクジやジャクゼンとも呼ばれている。ヒノキの実を主食としていて、ヒノキ林が手入れもされずに放置されるとカメムシの繁殖地となり、この増えすぎたカメムシは餌の代わりになるものを探して農地に飛来してくる。また高温が続く年には大量発生する傾向にあり、温暖化による影響も無視できない。カメムシは一般に隔年周期で発生するといわれているが、今年のカメムシの大発生は、荒廃する山林や温暖化の進行などが自然生態系に大きく影響していることを教えてくれている。
もはや、柿やミカンの問題ではない!