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年金の繰り上げ受給にはデメリットが!

2007年10月12日

 前回に引き続き、サラリーマンのAさん(58)のケースで年金について考えてみます。
 60歳からの4年間をできるなら働かないと希望しているAさんですが、60歳からの年金は2階部分の報酬比例部分のみ(連載1回目の表1参照)です。年金月額は月10.4万円で、妻のパート収入を含めても生活は厳しいと感じました。
 そこで64歳からの1階部分の年金を早めにもらう「繰り上げ支給」について、社会保険事務所で試算してもらいました。
 Aさんの場合、繰り上げ受給には全部繰り上げと一部繰り上げという方法があります。全部繰り上げでは60歳から月額で約14.7万円、一部繰り上げでは月額約15.1万円と63歳までの受け取り額は部分年金のみ受け取る場合より増やすことも可能です。
 しかし繰り上げ受給をして、本来の受け取り開始より早めに受け取るとことにはデメリットもあります。Aさんの場合一部繰り上げでは年間180.9万円、全部繰り上げでは176.5万円になりますが、82歳までの受け取り総額は、300万円以上少なくなります。(表2)

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 また65歳までに万が一障害者になった場合、繰り上げをしていれば障害年金を請求できない点でも注意が必要です。
 これらのデメリットを覚悟してでも年金の繰り上げ受給を選択するのか、預貯金や家族のパート収入などで補うことはできないのかなど、それぞれの家庭の資産状況や生活費などで違ってきます。繰り上げ受給は、年金を早くもらえて生活費は楽になると思いがちですが、こうしたデメリットを確認した上で、慎重に考える必要があるでしょう。
 実際に資産の状況をお聞きして、生活設計に合わせて将来のキャッシュフローを作らせていただきますと、1階部分の年金は原則どおりに受け取るほうが安心なケースも意外に多いのです。
 Aさんのように金融資産があり部分年金の時期に働かないことを希望するケースでは、不足額は預貯金を取り崩して充て、遣うまでに時間的余裕がある資金は運用も考慮していくという選択も検討してみましょう。

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