50代や60代になると、退職金や相続などでまとまった資金が入る方も多いですね。こういう方がマネープランを考えるとき、たとえば金融資産が2000万円、公的年金がいつから、どれくらい…というだけでは、具体的な方向性を決めていくことができません。マネープランの具体的な方向性を決める前に、まずは生活費を把握することがかなり重要になります。
退職後は自然に生活費が少なくなると考えている方も多いようですが、年金生活になってから今までの生活レベルを急に下げるのは大変です。退職前の方も現状の生活費を年間ベースで確認してみましょう。家計簿をつけていない人や、すでに年金収入がある方も収入が振り込まれる通帳をもとにお金の出入りを追っていけば年間の家計収支を把握することができます。
今回は58歳サラリーマン松山さん(妻パート収入あり)の家庭のケースで考えて見ましょう。次のA~Cが通帳から分かった松山さんの家計の主な収支です。
A:ボーナスを含む1月から12月末までの夫婦の収入合計(満期保険金
など臨時的収入は除く)600万円
B:キャシュカードなどで口座から出金した金額の合計、330万円
C:公共料金、住宅ローンなどの口座から引き落とされた金額の合計、160万円
単純に考えると松山さんの年間生活費はB+Cの520万円になりますね。
実際には、給与天引きで積み立て貯蓄をしている、あるいは生命保険の保険料などを給与から直接引き落としにしていることがあります。そこで金額の修正をします。
松山さんが給与から天引きされている積立貯金は年間で18万円、支払い保険料は年間で10万円です。そこで、合計28万円をAに加算します。さらに支払い保険料10万円は遣ったお金としてCに加算します。
すると、修正後の松山さんご夫婦の年間収支は次のようになります。
年間収入(可処分所得ベース) :628万円 A
年間支出 :500万円 B+C
年間貯蓄額 :128万円 A-(B+C)
このように通帳をもとに、現状の家計収支を確認することができました。簡単な作業ですが、これをすることで年間の主な収支を大まかに捉えることができます。皆さんも松山さんの例にならって、年間の家計の収支を出してみてください。
次回は退職後の生活費について考えてみましょう。