「入院や手術時の費用に備えて保険に入りたい」「入院すると今の保険では心配」と保険の見直しを考えているシニアの方も少なくないようです。保険を見直す前に、まずは公的な医療保障制度を確認してみましょう。
65歳のYさんが24日間入院(手術含む)して、医療費(食事療養費や差額ベット料など医療費以外の支払いは別途)が100万円かかったケースを見てみましょう。
窓口で支払った医療費は、図7のように3割負担で30万円になりましたが、実質的な医療費の自己負担額はいくらになるでしょうか。

図8のように公的医療保険の高額療養費制度では、1カ月(1日~月末)の医療費支払いの上限額が所得や年齢によって決められています。65歳で月収が53万円以下のYさんの場合、図8に照らすと「8万100円+(100万円-26万7000円)×1%」で8万7430円になります。
Yさんが窓口で支払った30万円は、この上限額を超えているので、健康保険の高額療養費の手続きをすると、その差額分が戻ってくることになります。
また事前に健康保険の限度額適用認定証をもらい、病院に提示すれば、医療費の自己負担分(今回のYさんの場合、8万7430円)のみの支払いも可能です。なお、大学病院などで高度な治療を受ける先進医療では、高額療養費対象外の治療もありますので、ご確認ください。

高齢期の入院は心配なことですが、自己負担する医療費の上限額を知っておくと、保険の見直しや入院時の備えを考える上で大切ですね。
次回は、入院時の医療費以外の負担と高齢期の備えについて考えてみたいと思います。