今回は、シニア世代がどのように入院などに備えていくか、一緒に考えてみましょう。
個人差もありますが、高齢になるほど病気で入院する可能性は高くなりますね。保険の見直しの相談者に「この保険で入院したとき、お金が不足しないですか?」と質問を頂きます。
結論から申し上げますと、入院に伴う費用をすべて保険で賄うとすれば、保険料の負担が大きくなります。また、高齢期は入院だけでなく介護費なども心配です。これらの費用を、保険だけでなく、預貯金で備えることが必要だと思います。
65歳のYさんが24日入院して、医療費が100万円かかりましたが、Yさんの実際の医療費負担額は8万7430円でした(「あなたの医療費自己負担上限額は?」の項参照)。Yさんの入院に伴う出費は病院食事代金約1万9000円、入院に伴う諸雑費約4万円、さらに差額ベッド料9万6000円で、医療費分と合わせて24万円余になりました。入院日数は24日で、1日当たりの入院に伴う出費は1万円を超えています。
Yさんが入院に伴う費用をすべて民間の保険で賄うとすれば、入院給付金が1日1万円以上出る保険が目安になりますね。けれど、本当に民間の保険だけで入院に備え、貯蓄を取り崩さない方がよいのでしょうか。
Yさんは1日1万円の入院給付金のある医療保険(保険料は月1万2000円)に60歳時点で加入しています。Yさんが5年間支払った保険料総額は72万円になります。確かに入院に伴う費用に貯蓄からの持ち出しはありませんが、今まで払った保険料72万円の方が多かったので、貯蓄を取り崩さかったとしても、保険で得をしたわけではないですね(入院給付金24万円-保険料合計72万円=-48万円)。
Yさんにとっては、保険に加入しないで、今回の入院でかかった費用24万円を貯蓄で取り崩した方が、家計全体の支出は少なかったといえます。仮にYさんが80歳まで保険に入るとすれば、保険料支払額は288万円になります。
貯蓄が少ないケースでは、間もなく入院する、何度も入院する場合などを考えると、保険に入っていた方が安心感もありますね。お金の無駄を少なくしたいと考えるなら、例えば入院などのために200万円準備し、医療保険を半分にするという方法もあるでしょう。
高齢期は、入院費用も、介護サービスの費用も心配です。しかし、それぞれ安心できるだけ保険で準備するとなると、保険料負担も大きくなります。“入院したときに保険で賄えることがお得”ではなさそうですね。