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入院保険の費用と効果は?

2008年05月23日

 前回「入院への備え~医療保険~」は、健康状況によって加入できる保険が違い、費用や保障内容も違ってくることを確認しました。シニア世代にとっては、継続できる保険がなくなる場合、大きな不安を感じることになります。ただ、安心を買う保険も金融商品の一つですし、費用とその効果を考えてみることも大切です。

60歳男性が入院給付金日額5000円で、保険に加入した例

 退職前のMさん(60歳)は、勤務先のグループ保険が退職後に継続できないことが分かりました。そこで新たに保険に加入しようと申し込みをしたのですが、1日入院給付金5000円の一般の医療保険(表の①のタイプ)には加入することができませんでした。
 そこで、①より健康上の告知(契約時に健康状態や病歴を保険会社の所定の用紙に記入すること)の緩い②のタイプに加入することを検討しています。保険料は月14,515円です。60歳から仮に20年間の保険料総額は、約350万円です。死亡時または90歳満了時の50万円と、70歳と80歳時に各10万円の給付があり、掛け捨てではありませんが、残りの約280万円は今後20年間で支払っていくお金です。
 この280万円に見合うように入院するとすれば、280万円÷5000円(1日入院給付金)と考えると、20年間で560日以上入院すれば元が取れることになります。もちろん入院中に手術を受ければ手術給付金が出るので単純に計算することはできませんが、Mさんが1日入院給付金5000円を受けるために支払う20年間の保険料総額280万円に対して、実際のところ500日以上も入院するのか、という疑問が残ります。
 そこでMさんは、退職金の中から入院に備えて300万円を準備することにして、疑問が残る保険に加入しないという選択をしました。

 一方、70歳の男性Nさん。加入中の養老保険に入院などの保障が付いていましたが、今年、満期が来ます(別途にがん保険は加入済み)。2年前にがんで入院しましたが、現在は日常生活に支障ありません。Nさんの場合、加入可能な保険は告知のないタイプ(表の③)ですが、今後も入院する可能性を考え、保険に入ることがいいのか迷っています。
 Nさんが1日5000円の入院給付金を受けるためには、保険料は12,905円(5年後には保険料が上がる)になります。1回の入院で受け取る入院給付金の最高額は5000円×45日=22万5000円です。それをもらうために支払う保険料は、2年間で30万円を超えます。
 大まかに考えると、長くても1回の入院で約23万円の入院給付金の受け取り(別途手術給付金などあり)ということは、2年分の保険料総額にさえ満たない金額です。保険料が5年後にアップするということを除いても、費用と効果には疑問が残ります。
 入院などの保険は安心を買うために加入している方も多いのですが、「保険がないと不安」と思い込む必要はありません。金融商品として保険の費用と効果を考え、保険加入で期待できる入院時の給付金を預貯金で準備するのもいいのではないでしょうか。

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