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公的年金不足に充てるお金(1)―お金は減らしたくない……

2008年06月13日

 まとまった退職金や預貯金などの金融資産はどう預け、また運用すればいいのでしょうか。同じ年齢の方々でも金融資産の額によって、また同じ額の金融資産を持つ家庭でも日常生活費への補てんや住宅リフォーム資金が近いうちに必要かどうかなどのライフプランによって、違ってきます。

 62歳のGさんは、公的年金を補うため、1年前に勧められるままに投資信託を買って後悔しました。Gさん夫婦は金融資産3000万円を減らしたくないと考えていました。しかし公的年金だけでは生活費が月々5万円ほど不足するため、その分を補おうと、3000万円のうち1500万円でバランス型といわれる投資信託を購入。あとの1000万円は10年後に受け取りが始まる個人年金保険に、残りの500万円は金利の高い10年定期預金に預けました。
 このうち投資信託の購入については「毎月、分配金が出るので、その分を生活費に充てれば、定期預金500万円を取り崩すこともなく、10年後には現在より多い金融資産を維持できる」と考えてのことでした。

 しかし、購入した投資信託は、毎月分配金が出ているものの、このところの下落で投資金額が大きくマイナスになっていることにGさんは気付き、マネープランの相談にみえました。
 Gさんは公的年金だけでは不足する生活費を投資で補おうとしましたが、むしろ逆で、生活費など(おおむね10年以内)に使う予定のお金は預貯金など確実なものに預ける、つまり投資には向かない資金です。
 確実性の高い預貯金などは、満期が来れば決まった利息と元金が返ってきますが、一方で急な物価上昇には弱く、物価と比べて相対的な価値が目減りすることもあります。特に現在のような低金利の時は、10年も金利を固定した預貯金は避けたいものです(金利上昇があってもメリットを受けられないので、結果的に目減りが大きい)。
 一方、投資は、増えることもありますが、損をすることもあります。投資の世界では、より「増える可能性のあるものほど、損をする可能性も高い」。これが原則です。「いつもたくさん増えて、絶対損をしない商品はない」はずですね。Gさんは、資金を減らさないで(損をしないで)増やそうと思ったことに無理があったと反省していました。投資の世界は、思うようにいかないことも多いのですから、使うまでに時間的余裕のある資金で始めたいですね。
 退職金などまとまったお金が入ると、有利な運用を求めて「ちょっと、この500万円で投資をして遊んでみたい」と言われる相談者も多いのですが、本当に時間的余裕のある資金かどうか、ライフプランを確認することから始めたいですね(詳しくは「老後のマネープラン~年金で不足する生活費(1) (2)~」を参照)。
 次回も公的年金の不足を補うお金の話を続けます。

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