サイト内検索 Web 
文字サイズの設定文字サイズを大きく文字サイズを標準に文字サイズを小さく

リスクを抑えるために分散投資

2008年07月25日

 昨年夏のサブプライム・ショック以来、株安と円高の影響で投資に迷っている方も多いと思います。今回は、値動きの違った投資対象に分けて分散投資をする“国際分散投資”についてお話しましょう。

 Yさんは、3000万円のうち、1500万円を定期預金(前々回「定期預金で自分年金」を参照)にしました。けれど、確実性の高い預金などは物価上昇に弱い側面があります。Yさんの残り1500万円の資金は10年以上使わないお金なので、投資をしようと考えています。ご相談に見えた時、Yさんは株式投資や株式投資信託を中心に考えられていました。
 しかしYさんのキャシュフロー表を作成すると、年間3%+物価上昇の(つまり物価上昇率を3%上回る)運用ができれば、資金が将来的にも不足する可能性はほとんどないことが分かりました。またYさんも、1年間に3割以上も投資資金が減るようなリスク(変動幅)は避けたいというご希望でした。

 株式投資は期待できる収益も大きいのですが、損をする可能性も高くなります。大きな収益を目標にすれば、値上がり(あるいは値下がり)の幅の大きな株式の配分が大きくなり、その分、変動も大きくなるでしょう。
 一般的に株式の収益は、新興市場を含めて7~12%といわれています。仮に投資収益を年平均15%と設定した人は、大きな資産の増減と目標実現の難しさを覚悟する必要があるでしょう。

 Yさんのように将来の収支や資産状況をキャシュフロー表で確認して、投資資金の目標利回りを考えることで、自分のリスク許容度(運用時に、投資する人がとれるリスクの大きさ)以上のリスクをとらないことも大切です。
 シニア世代が老後資金を投資する場合、以下の3つのポイントが大切だと思います。

  1. キャシュフローを作成して将来の資産状況を確認した後、無理のない目標収益を決める。その期待収益に沿った運用対象を複数選択していく。

  2. 投資対象の分散……値動きが逆(商品同士の相関関係を表す相関係数が-1)、無関係な動き(相関係数0)に近い運用対象を組み合わせることで収益は平均化されるが、リスク(変動幅)は平均よりも小さくなるポートフォリオ効果(相関係数は1から-1まであり、1では効果はなく、-1に近い組み合わせほど効果は大きくリスクは低くなる)を活用する。

  3. 購入タイミングの分散(特に値上がりが激しいものを購入するときは、高値づかみにならないようにタイミングの分散は大切)

 国際分散投資でも、市場が本来持っているリスクをなくすことはできませんが、違った投資対象を数多く組み合わせることで、変動の幅を小さくすることは可能です。つまり、上がる市場も下がる市場もある、時として単年ではマイナスになる年もあります。しかし全体として、設定した平均目標利回りを目指していくことは可能でしょう。
 Yさんの期待収益は物価上昇+3%と高くないので、値動きの大きい国内外株式の割合を少なくし、国内債券(国債などは株式に比べて価格変動は小さいのですが、物価上昇には弱い面があります)、これと違った動きをする海外債券(為替リスクのある海外国債など)、さらに債券も国内外の株式も弱い時に値上がりをする代替資産(株式や債券といった“伝統的資産”以外の、金などの商品や不動産など)を組み合わせる。またタイミングや通貨の分散も意識して、投資資金全体で変動を少なくする選択をしました。
 次回からは、私や周辺の投資経験も含めてお話ししながら具体的な投資商品について説明していきましょう。

Copyrights(c)The Ehime Shimbun Co.,Ltd. All rights reserved.
掲載している記事、写真などを許可なく転載、複製などに利用することはできません。
プライバシーポリシー著作権・リンク
愛媛新聞ONLINE